2/18,19日に開催された開発者の祭典「Developers Summit 2010」に参加してきた。去年は結構長時間雅叙園に入り浸っていたのだが、今年は諸事情により一番最初と一番最後の2セッションにしか参加できなかった。

だが、この2セッションを聴けて本当によかった。技術的にはまったく役立つところのないこの2セッション。しかし、心を揺さぶられ熱い気持ちをかき立てられるという意味では最強だったと思う。

例によってtwitterで垂れ流したつぶやきを感想として記録しておく。私がどれだけ揺さぶられた(せいでしっちゃかめっちゃかだった)かがおわかりいただけるのではないかと思う。

【18-E-1】SIerのこれからのソフトウェアを創る

10:01:37
. @papanda の話を聴きにきた。 #devsumi2010
10:03:19
俺たちの @t_wada (コンテンツ委員)! #devsumi2010
10:05:26
「市谷さんと呼んだのは初めてかもしれない。親愛の情をこめて @papanda さんと呼びます」 #devsumi2010
10:13:36
「ソフトウェアは社会を変える。ちょっとずつ良くなる。ちょっとずつが重なって結構良くなる。」 #devsumi2010
10:15:23
「ソフトウェア開発 3つの乗り越えるべき壁
 ・変化に対応できない
 ・価格への納得感
 ・必要なタイミングを逃す」 #devsumi2010
10:20:07
「レビットのネジの穴:
 顧客が欲しいのはドリルではなく穴だ」 #devsumi2010
10:22:10
「プロセスだけ滝からアジャイル的に変えても問題は解決しない。」 #devsumi2010
10:23:02
「『後で仕様を変える時、費用はどうしましょうか』→答えられない」 #devsumi2010
10:24:13
パフォーマンスベース契約 http://bit.ly/axucIC #devsumi2010
10:26:21
「パフォーマンスベースの課題:
 ・成果を測るまで時間がかかる。
 ・顧客も開発も待ってられない。
  →ここでAgile」 #devsumi2010
10:29:41
「変え始めることは一人でもできるが、組織の仕事を独りで変えるのは難しい => 現状に踏みとどまろうとする人意識の問題」 #devsumi2010
10:30:58
「事件」 http://bit.ly/cBHTXk #devsumi2010
10:31:27
「デブサミやコミュニティは、気づくためのきっかけになる。」 #devsumi2010
10:33:06
「周りの気温が上がるのを待っているほど人生は長くない」 #devsumi2010
10:35:53
「事件」http://bit.ly/bJ4Q2z #devsumi2010
10:37:24
「コミュニティ活動:社外との接点を意図的に作る」 #devsumi2010
10:38:36
「現場からコミュニティに参加→仮説(気づき・変化)を持って現場に戻ってくる→事例を持ってコミュニティに戻る『コミュニティワークバランス』」 #devsumi2010
10:39:05
「業界そのものが循環するシステム」コミュニティのエコシステム。ひげのひとも言ってたぞ。 #devsumi2010
10:40:48
「期待通り行かなくて挫折する、そこが始まり。期待とは、一方向のただの想い。」 #devsumi2010
10:42:05
「自分が最初の一歩さえ踏み出せたら、他の人の踏み出すになる。自分が変われば、他人も変わる。世界を変えるのは他の誰かではない。自分自身だ。『信じる』」 #devsumi2010
10:42:11
やべえちょっと目から水が #devsumi2010
10:42:45
「行きたいところがあるから、仕事のやり方を変え、周囲に働きかけ、知恵を絞り、行動を起こす。」 #devsumi2010
10:45:29
「私の月とあなたの月は同じかもしれないし、違うかもしれない。
 でもみんな、重力を突破しようとするものたち。」 #devsumi2010
10:47:21
「デブサミにたくさんのものをもらいました。
 私がもらった大切な言葉をあげます。
 『次は君の番』」 #devsumi2010
10:48:32
. @papanda 8888! #devsumi2010

【19-B-7】建築から開発プロセスを学ぶ〜パタンランゲージ

17:43:56
「中埜先生は喋り出したらどういう人かすぐわかる。」場内爆笑「すごいエネルギーを被爆することになる」 #devsumi2010 19-E-7
17:44:36
「卓人の部屋、第3回です」 #devsumi2010 19-E-7
17:45:40
角谷「諸般の事情でスーツです / 諸事情で中埜先生を追っかけていて、被爆量がたぶん一番多い」(敬称略で失礼します) #devsumi2010 19-E-7
17:47:13
和田「角谷さんを呼んだ目的の一つは通訳」 #devsumi2010 19-E-7
17:48:22
角谷「中埜先生の設計した、いきいきした風呂に入るため和歌山まで行った」 #devsumi2010 19-E-7
17:48:47
和田「Nature of Order という魔術書みたいなものを翻訳されています」 #devsumi2010 19-E-7
17:49:35
和田「中埜先生と開発者である私たちの接点:Alexanderの直弟子」 #devsumi2010 19-E-7
17:50:13
和田「ソフトウェアのパターンの理解は、型紙としての理解。それは半分でしかない。」 #devsumi2010 19-E-7
17:51:38
角谷「パターンは業界標準用語集、設計のテンプレートみたいなもの。ケント / ウォードが始めた意図はもっと『ソフトウェアの作り方』に寄ったものじゃなかったのかと気づいた」 #devsumi2010 19-E-7
17:52:29
角谷「実際の『ものを作るパターンってなんだろう』とずっと不思議だった。日本にずっとやってる人がいる、しかも四谷に、と知った」 #devsumi2010 19-E-7
17:53:14
角谷「羽生田さんは仮面かぶって裏で暗躍してます。気をつけろ!」 #devsumi2010 19-E-7
17:54:20
和田「『これのほうがうまくいく』という道へ再度出会う。Cunningham, Pattern, Smalltalk, Wikiがetoさんの本でつながった」 #devsumi2010 19-E-7
17:55:54
角谷「40年近くやるとこうなるんだなーということを」 => 中埜「30年!」 #devsumi2010 19-E-7
17:56:56
和田「私が最初に中埜先生の講演を聴いて受けた衝撃を皆さん数分後に味わうことになると思いますが」 #devsumi2010 19-E-7
17:57:30
いよいよ中埜先生登壇! #devsumi2010 19-E-7
17:58:11
中埜「デブサミって聞いたからデブの人がたくさんいるかと」 #devsumi2010 19-E-7
17:59:09
中埜「建築の話、街づくりの話をします。建築の話がソフトウェアにどうか変わるかはわからないが、羽生田さんが『話してくれればあとはやるから』と」 #devsumi2010 19-E-7
18:01:23
中埜「これがぼくの今日の結論です。おしまい。」ええええw #devsumi2010 19-E-7
18:03:17
中埜「QWAN(名付けられぬ質):人間とモノとの関係をつなぐもの。私たちはみんな持っている。」 #devsumi2010 19-E-7
18:04:07
中埜「目黒雅叙園。20数年ぶりに来た。建物はまったく変わっているが、当時の妙な雰囲気が残っている。」 #devsumi2010 19-E-7
18:07:01
中埜「心とモノをつなぐものについてもう少し言葉で語ってみよう、それこそがAlexanderの追求。」 #devsumi2010 19-E-7
18:09:37
中埜「コンテクストと形が直接結びつけば時間はかかるけど簡単 => デザイナーが入って素人とモノの1:1対応が途切れる」「失敗してもいい、段ボールでもいいから、家具一つから自分で作ってみることが大事」 #devsumi2010 19-E-7
18:11:18
中埜「ソフトウェアとハードウァアの間が切れてしまった => 心のつながりも切れてしまった」「今の道具、今のコンピュータにはもっと心が入る余地がなくてはいけない」 #devsumi2010 19-E-7
18:13:34
中埜「ツリー構造であるマインドマップには批判的。一つの構造は次の構造にリンクしているが、隣のコンポーネントとつながっていない。」 #devsumi2010 19-E-7
18:14:09
中埜「なぜツリー構造にするのか。役割分担を簡単にする(トップダウン)のため。そのためには適した構造。」 #devsumi2010 19-E-7
18:16:55
中埜「つながりの強さを分解。複雑なツリー構造をうまく分解できた。つながりが強いところは有用なものではないか?『パタン』の発生。」 #devsumi2010 19-E-7
18:18:23
中埜「『パタン』の手法(よい、とされる要素を自由に組み合わせる)を用いた街づくりを英国にて行ったが、コストと質として満足のいくものでは無かった。」「何かが足りない! => 機能的だけれど『住まいらしさ』」がない」 #devsumi2010 19-E-7
18:19:47
中埜「トップダウンとボトムアップで分解・再構築する。KJ法も同じような手法。しかしここには『質』の観点が抜け落ちている。美しいもの、永久に住みたくなる気持ち。 => ツリー構造には欠陥がある。」 #devsumi2010 19-E-7
18:20:31
中埜「角谷さんと出会ったのもまったくの間違いみたいなもんなんですけど」www #devsumi2010 19-E-7
18:22:02
中埜「要素の重なりを考慮する。『セミラティス構造』重なり部分を重視し衝突状態を解消する。それを『パタンランゲージ』と再定義」 #devsumi2010 19-E-7
18:23:03
中埜「セミラティス構造の解析は計算量が多い。Alexanderの時代はスパコンでも難しかった。今のコンピュータはそろそろできそうだが、それは皆さんの仕事です」 #devsumi2010 19-E-7
18:24:14
中埜「どういう領域で?どうやって解決する?どんな問題を? => 三本柱」 #devsumi2010 19-E-7
18:25:21
中埜「簡単なルールに従うことで複雑なもの、いいものを作ることができる。それを『パタン』として言語化する。『パタン』をつなげることで建築物を作り上げる『パタンランゲージ』。」 #devsumi2010 19-E-7
18:26:57
中埜「『親密度の変化』パタン:奥に行くに従ってプライバシーを厳密に。『中心部の境域』パタン:大切な場所は通路の近くに配置し、立ち寄る/通り抜けるを選択できるようにする。=> 寅さん店舗住宅の間取り」 #devsumi2010 19-E-7
18:28:58
中埜「昔から世界中に『中心部の共域』パタンは見られる。いまの集合住宅ではできていない。」 (typo失礼) #devsumi2010 19-E-7
18:30:18
中埜「たった二つのパターンでも再現するのは難しい。ボトムアップで作らなくてはいけない。ボトムアップ=ユーザの参加が必要。」 #devsumi2010 19-E-7
18:31:01
中埜「パタンランゲージの構造は脳の構造によく似ている」 #devsumi2010 19-E-7
18:32:06
中埜「『セミラティス』の構造を持った町並み:にぎわい、居心地よさ、活気、交流、歴史性。広場の通路も人と人とが集まり交流する場となる。」 #devsumi2010 19-E-7
18:34:33
中埜「名付けられぬ質(QWAN = Quality Without A Name)を考える4冊の参考書。『禅とオートバイ修理技術』」…えええ? #devsumi2010 19-E-7
18:35:41
中埜「『弓と禅」。弓道を究めるためのプロセス。弓と的と道場と世界と、すべてがひとつになっているから弓が的に当たる。」まあ当たるのは矢だけどもw #devsumi2010 19-E-7
18:36:18
中埜「『禅とオートバイ修理技術」。機械(バイク)と人間が一体になることで初めて心地よさが得られる。」 #devsumi2010 19-E-7
18:37:19
中埜「『断片と全体』。設計者・施工者・使用者がバラバラ。だからいいものができないのは当たり前。昔はユーザが施行まで関わっていた。沢田マンション。」 #devsumi2010 19-E-7
18:38:03
中埜「奥さん筋肉隆々でした」www 「マンションを造る、という夢があったから続けられた。今は子供たちが作っている。」 #devsumi2010 19-E-7
18:38:54
中埜「沢田さん『違法だが違反じゃない』」無茶言うなwww => 「合法なものだって怪しい時代」 #devsumi2010 19-E-7
18:39:48
中埜「これからどうやってソフトウェアに心を込めることができるかどうか。デザパタは数が少ないじゃないか。建築のパタンランゲージは253あり、僕は全部覚えてますw」 #devsumi2010 19-E-7
18:41:01
「15の幾何学的特性」と「253のパタン」 #devsumi2010 19-E-7
18:43:06
中埜「『15の幾何学的特性』(接着剤) => 形に関係するものが多い(中空とか => 床の間とか)。それらをソフトウェアにどう活かすかはわからない」 #devsumi2010 19-E-7
18:43:42
中埜「いい茶室は狭い。」 #devsumi2010 19-E-7
18:45:08
中埜「この部屋は僕を受け入れてない。なんとなく喋りにくい。いい部屋はもっと居心地がいい。部屋も人間集団に対して適した対応がある。」 #devsumi2010 19-E-7
18:46:16
中埜「パタンランゲージ、名付けられぬ質、15の特性。頭がごちゃごちゃしてきたでしょ?討論しながらもっと理解を深めて行きましょう」 #devsumi2010 19-E-7
19:01:59
中埜「もの作りにはプロセスがあり、15の特性があり、何種類ものコーディネータがいる。コアのグループがいないとネットワークは機能しない。役割分担したコアグループが働いて初めて、エンジニアが力を発揮できる場面になる。」 #devsumi2010 19-E-7
19:02:22
ちょっと中身が濃いのと聞き入ってしまうので実況止まりがちです。すげえ、すげえよ。 #devsumi2010 19-E-7
19:03:49
中埜「建築の世界ではパタンランゲージは認められてない。だから僕異端児、僕貧乏」www #devsumi2010 19-E-7
19:11:49
Q「新しいパタンはどうやって作れば?」
角谷「去年の中埜さんのWSが面白かったのでソフトウェア業界でもやることを画策中。来てね!体験すればわかるよ!」 #devsumi2010 19-E-7
19:14:29
中埜「沢田マンションは増築しなければ違法じゃない、ということになった。でもこの間行ったら柱が3本建っていた」ちょwww #devsumi2010 19-E-7
19:14:44
まとめ:世界一おいしいスープの話 #devsumi2010 19-E-7
19:18:16
和田「引っかかったもの、心に残ったものを持って帰り、そしてこの業界にフィードバックしてください」 #devsumi2010 19-E-7

世界は変わった。開発の現場はどうか? Developers Summit 2010

http://codezine.jp/devsumi/2010/

SIerのこれからのソフトウェアを創る

http://www.slideshare.net/papanda/s-ier-3225895

2010-01-20 – papandaDiary – Be just and fear not.

http://d.hatena.ne.jp/papanda0806/20100120

2010-02-20 – papandaDiary – Be just and fear not.

http://d.hatena.ne.jp/papanda0806/20100220