デザインハック・ミーティングVol.1「おばかアプリ選手権」を観覧する
3/6(金)、雨の中お台場に行ってきた。@ITのD89(デザインハック)というコンテンツから派生した「おばかアプリ選手権」を見るためだ。
会場はお台場「東京カルチャーカルチャー」。ニッチなサブカルチャーのイベントをいろいろ開催している場所だ。なぜこんな場所(観覧車の真下)にオープンしたのかは理解に苦しむ。普通に考えたら中野か高円寺、もしくは秋葉原が候補になりそうなもんだが。
司会はペーパーボーイの家入社長と東京カルチャーカルチャーのテリー植田氏。ゆるーい空気のまま定刻どおりイベントがスタートした。
ペーパーボーイ
六曜
会社でゲン担ぎのため六曜を気にする
「We Will 六曜」<音注意>
植田:「社長業も大変ですよね」
オモコロのゲーム
ペロリス<音注意>
家入:
「当たり判定をつけるのがめんどくさかった」
「一経営者である前に一クリエイターでありたい
一クリエイターであるまえによき二児の父でありたい」
ぺろたんのゼビウス<音注意>
感想
家入氏をはじめて見た。ロリポは去年解約しちゃいましたごめんなさい。
「おばかアプリ」の名に恥じないおばかっぷり。
次からの出演者にとってはハードルが上がったのか下がったのか。
大日本印刷 / DNPデジタルコム
AIR Mail
- 自分と相手の名前 / メールアドレスを入力
- メッセージをマウスで手書き入力
- 任意の漢字を入力
- マウスでドラッグした線を任意の漢字でトレースした画像を生成
- 印刷して投函できる封筒のPDFを出力
メッセンジャー通
AIRによるデスクトップガジェット
機能はインスタントメッセンジャー
メッセンジャーがクライアント間のデスクトップを移動する
送信時の「優先度」指定で配達の演出が変化する
経路に当たるクライアントのデスクトップはメッセンジャーが通過する
感想
AIR Mail:
意外とまとも。ソフトウェアとして楽しいし、需要があるかも。おばか度は低い。
メッセンジャー通:
これもかなりまとも。「アプリの主役は挟まれた人」とのこと。納得。
デスクトップガジェットは楽しそうだ。手を出すべきか?
新藤愛大
フリック(画面をスライドアウト)で羊を数える
傾けると勝手に数える
AppStoreで販売中(¥115)
→現在売り上げゼロ
InfinitySheep2
羊が上から落ちてくるので数える
2D物理演算してるので…
傾けると重力の影響を受ける
羊同士がぶつかって干渉しあう
製作過程について
全部自分で作る。ひとりコラボレーション。
エンジニアな自分の技術研究からスタート
→技術 / UIを触ってみることで発想する
フリックロール(UI)
Box2D(物理演算エンジン)
デザイナな自分がデザインを提案
→フリックに対して羊、とか
中間の自分が仕上げていく
「UIドリブン」で開発することでiPhoneアプリっぽくなる
家入:
「典型的な一人っ子タイプ」
「バカだけど愛がある、美しい」
感想
完成度が高いのでバカっぽい感じはしない。手間隙かけて完成させる行為がバカなのか?
Box2Dが楽しそう。Phunに惹かれたばっかりだし。
うわーまだ20歳。すごいな。
森岡友樹×うさぴょんソフトウェア製作所
おれ、ちょうじん
概要
ガジェット+webサイト
キン肉マン的「俺俺超人投稿サイト」
サイトに超人の画像を投稿
人気投票を受け付ける
人気上位の超人がデスクトップをうろうろする
サイトデザインが手書きなのは?
→参加のハードルを下げるために手書きを誘発したかった(という言い訳)。
狙い:広告モデル
→サイトとデスクトップを対流するガジェットコンテンツ(pushでもありpullでもある)
家入:
「風貌がGoogle」(出演者2名を評して)
「これmixi超えたでしょ」
感想
見た目は手書きの「ちょうじん」がデスクトップをうろうろするのでかなりおばか。
でも「サイトとデスクトップの対流」というアイディアは非常によいのではないか。
資料 / デモともごちゃごちゃしていたのが大変残念。リハーサルをして、スライドを整理すればもっとアピールできたのでは。
サイバーエージェント
絶対ぬぎPON
概要
Flashで動画をつなぎ合わせる
フィジカルセンサを利用
バランスWiiボードを踏ませることで「画面の反対を向いている」ことを判定。Bluetoothでホストと通信。
第1フェーズ:野球拳
動画の女の子とじゃんけん
→じゃんけん「ぽん」で女の子の手は画面外に
手の形を判定して「負ける手」を出す動画をつなぐ
「負けちゃった~」と言いながらTシャツを脱ぐ
全部で3セット
着ているTシャツが…
- Apollo
- O’Reilly
第2フェーズ:脱ぐ
最後の1枚を「脱ぐから後ろ向いていて」
Wiiボードを踏むと脱ぐそぶりをしながら引っ張る
振り返る(Wiiボードから離れる)と「まだだよ~」
→以下無限ループ
感想
動画の女性が相当美人だった。会場に来ていたので実物を見られてラッキー。
フィジカルコンピューティングのアピールとしていいネタ。ワークフローについての話で「ひきがいいもの:ちょいエロ」と割り切っていた。アピール材料としていいネタ。
BluetoothでWiiの周辺機器が使える。通信モジュールを用意すべきか。
株式会社鳥人間
あのバイク
フィットネスバイクに各種センサを搭載
磁気センサ
→ペダルの回転数を取得
→搭乗者の体の傾きを取得
Google Earthをコントロール
漕ぐと上昇 / 前進
体の傾きでコントロール
Google Mars、ストリートビューにも対応
感想
爽快感は高そう(ちゃんとデモが動けば)。おばか度は低め。Google Earthの見た目がバカっぽくないからだろうか。
センサのI/Oは何を使っていたのかな。結構ケーブルが長く出ていた。
漕ぎ力が足らなくてあまり上空高く舞い上がれなかったり、プレゼンの時間が取れなかったり、発表としては物足りない。ネタがいいだけに大変残念。
くるくる研究室
どんどん相撲
概要
センサ上での足踏みを入力に使った「とんとん相撲」
センサにはDance Dance Revolutionのコントローラマットをそのまま使用
アプリ部分はFlash(確か)
経緯
イギリスの大学から「日本文化を海外に伝えられるようなゲームを」という発注があった
外国人にアピールするため「日本っぽいアイコンを詰め込んだ宝石箱」とした
畳(コントローラをいぐさのマットで包んだ
相撲
ちょんまげの被り物(アプリには関係ないけど)
DDRコントローラは「遠征するので壊れないものを」という観点から選択
家入:
「よくしゃべりますねー」
実演ということでサイバーエージェント「絶対脱ぎPON」の女性と対戦し連敗。うれしそう。
感想
「+Gainer」を書いたチームだということに当日まで気づかなかった。本持ってってサインでももらえばよかった。
プロダクトとしてしっかりしている。ゲームとしても成立してるし。
「狙ったおばか」がちゃんと効果をあげてるのがすごい。
ナタリー
Fake Vox
概要
音姫的iPhoneアプリ
流水音、リラックス音楽、へんなSEなどが鳴る
制作について
MUJIの4コマノートで企画
女子社員に「音が地味」とツッコまれた
制作はわりとスムーズだった
企画で意思疎通ができてた
ツールを使い慣れてた
ユーザ目線になることが大事
Premiumアプリ近日発売
感想
家入氏のトークが尾篭な方向へ脱線しまくり。おばかというより小学生。
アイディアの時点で「おばか」。手を動かして形にしてしまうのはもっとおばか。しかも休日つぶしてまで。
プレゼンテーションが上手だった。
BM11(ブッコミイレブン)
面白法人カヤックラボチーム
trash roll
概要
AIRで作ったゴミ箱(的)アプリ
中身を使って映画のスタッフロール的なものを再生する
音楽ファイル:BGMとして再生
画像ファイル:背景画像として順に表示
その他:ファイルリストを登場人物のようにロールアップ
デモ
「別れた彼女の思い出」フォルダ
「ジャッキー・チェンの大ファン」フォルダ
感想
デモより会社紹介が長かった。
アイディアはさすがに「面白法人」を名乗るだけある。ネタを見れば実装までさっと思い描けるけど、ゼロからネタを発想するのは大変。
ものすごく余計なお世話だが、収益モデルはどうなってるんだろう。
ハッカーズカフェ
活動紹介
拡張現実メガネ
電脳メガネ
電脳スターラリー
自走式Webサーバー
eXtream Adhock忘年会
次の企画
→電脳スターラリー2
感想
この時点で終了予定より30分以上押していたため、あっさり流されてしまった。
個人的には一番期待していたので非常に残念。
まとめ
家入:
今日はホントにみんなバカ
授賞式
グランプリ:(会場アンケートで選出)
→「メッセンジャー通」(大日本印刷)
ペパボ賞:
→「trash roll」(BM11)
カルカル賞:
→「絶対ぬぎPON」(サイバーエージェント)
第2回が決定!
→7/4(土)
全体の感想
私はあまりアイディアが豊富なほうじゃないのでよい刺激になった。
家入氏は大変愉快な方で進行も楽しかったのだが、さすがに飲みすぎじゃなかろうか。
カルチャーカルチャーという箱にはとてもがっかりした。冒頭家入氏の「今日は虐げられてる人が主役になれるイベント」という言葉通り、ニッチカルチャーにスポットを当ててくれる会場としての意義は素晴らしいと思う。しかし、「居心地」というポイントはまったくお粗末だった。
暑い。暖房効きすぎ。
シーリングファンによる強風が吹き荒れている。
→目は乾くしタバコの煙はフロア中に充満するし、過酷な環境だった。
急遽キャッシュオンに変更したからか、フードもドリンクも高くていい加減。飲食だけなら二度と行かないレベル。
イベントの進行がかなり押してしまい、最後のハッカーズカフェがかわいそうだった。運営側も出演側ももう少しリハーサルを重ねてある程度きちんと進行してほしかった。ニッチカルチャーの人たちがライトの下に出ても、進行がグダグダだとせっかく見に来たゆるふわモテ系のひとたちに「所詮ニッチ、こんなもんか」って思われちゃうのがもったいない。
ということで、本来なら仕事をしているはずの時間を使っていいリフレッシュをしてきた。刺激を受けたり会場に憤っていたりする間に職場は大変なことになっていたのだが、それはまた別のお話。
http://www.atmarkit.co.jp/fwcr/design/
●We Will 六曜<音注意>
●秋の夜長にちょっとしたゲームなどいかが? | オモコロ特集<音注意>
http://picup.omocoro.jp/?eid=99
●ぺろたんのゼビウス | オモコロ特集<音注意>
http://picup.omocoro.jp/?eid=108
http://picup.omocoro.jp/?eid=153
http://www.be-interactive.org/
●BeInteractive! [祝・初 iPhone アプリ 「InfinitySheep」 発売]
http://www.be-interactive.org/?itemid=429
●3/6(金) おばかアプリ選手権 に参加します|ameblo.jp/uranodai
http://ameblo.jp/uranodai/entry-10218679693.html
http://www.tori.st/2009/03/space-bike.html
●Fake Vox:おばかアプリ選手権にも登場したトイレ音姫アプリ。無料。217 | iPhoneアプリのAppBank
http://www.appbank.net/2009/03/12/iphone-application/14065.php
●Hacker’s Cafe ( ハッカーズカフェ ) ?(ハッカーズカフェ)?