カヤック×クックパッド主催 技術者交流会~おいしいソースのつくり方~に参加する
4/24(金)、鎌倉で行われた「カヤック×クックパッド主催 技術者交流会~おいしいソースのつくり方~」というイベントに参加してきた。クックパッドはオフィスにも開発姿勢にももはや恋をしているといっていいぐらい素敵な会社、そしてカヤックは「おばかアプリ選手権」でその実力(とおばかさ)を思い知らされた注目の会社。そんな二社が交流会を開くなんて、そりゃ見逃す手はない。イントラに情報を流してくれた同僚に感謝しつつ、全力で申し込みメールを書いた。
応募要項には「ライトニングトークへの参加希望の有無」という項目がある。LTなら過去6回もやってるのでできなくはないぞ。そして、普通の参加者としての応募では競争率が高そうだ…という打算的な理由から「参加希望」にして応募した。
結果見事LT権を獲得した…のだが、主催二社以外からは私ともう一人だけ、しかも非技術ネタは私だけ、というなんともアウェイな状況。いいだろう望むところだ。ホームでしか発表できない内弁慶なことでどうする。ちょっとだけ無駄に身構えながら発表資料を作った。
スライドはこちら。当初は料理とプログラミングの共通点、というアプローチでネタを考えていたのだが、それと平行していろいろなデキゴトが発生し、気がついたら勉強会設立の告知、という予期せぬところに着地していた。
ああもう冷や汗をかいた。しかし、勉強会はマジなので、興味をお持ちの方はぜひご参加いただければと思う。
自分のことはこれぐらいにしてイベントレポート。会場は鎌倉の「どんぶりカフェbowls」。カヤックのオフィスが入ったビルの1F、運営もカヤック。開放的な店内に、大きなスクリーン(になる白い壁)。天井までスタックした丼のオブジェ、ゆったりしたソファ席。クックパッドといいカヤックといい、どうしてこんなに素敵オフィスなんだろう。
ライトニングトーク
中川尚(株式会社村式)
「ElectricCafe.js」
Kraftwork「Electric Cafe」のジャケットっぽい画像をJavaScriptで生成
顔写真に特徴点を打ち、ドロネー分割で三角形に分割。重心の色を持ってきて塗りつぶす。
JSでもこんなことが簡単にできるというアピール。製作期間は1日程度とのこと。む、すげぇ。
中村浩之(SFC学生 / クックパッドでインターン中)
「Rails上でのメールウェア構築」
ユーザから送られたメールを受け取ってRailsで処理し投稿として受け取る、という機能を実装した。
Railsでメールのスプールを直接見に行くという大技。私はpostfixでちまちまやってたと言うのに…。
週に3日ほど登校、3日ほどクックパッドで開発、という生活をしている。インターンが商用サービスに組み込まれる機能を作ってるなんて!作るほうもすごいし作らせるほうもすごい。
荒賀謙作(面白法人カヤック)
「Flashを自動生成して 動くケータイペットをつくる方法」
おばかアプリでもプッシュしていた「ポケットフレンズ コンチ」のFlash部分についてのお話。アバタのように着替えで見た目が変わるので、動的に合成している。
いくつか質問してみた。
Flash Lite 1.1で作っているとのことだが見切る予定は?
>3.0は905i以上。切り捨てる範囲がちょっと大きすぎるので今のところ考えていない。
動的に生成しているがキャッシュはどうしてる?
>着替えなど確実に見た目が変わるところは明示的にキャッシュせず生成。それ以外のところはアクション別にチューニングをしている。
村井考至(面白法人カヤック)
「インタラクティブなショップコンテンツの作り方」
webカメラ、赤外線LED、Wiiリモコン、Processing、Flash。カメラで取り込んだ画像にFlashでエフェクトを乗せてプロジェクタに写す。エフェクトの位置は赤外線LEDで発信、Wiiリモコンで受信。
説明されれば理解できるがアイデアとして出てくるのがすごい。作ってても楽しいだろうし、できたのを見た人も楽しい。
Wiiリモコンは赤外線センサとしてかなり優秀。無改造でもいろいろできて、インタラクティブな開発には有用。
typester(面白法人カヤック)
「カヤックとオープンソースプロジェクト」
カヤックが利用 / 参加しているOSSについて。CatalystをはじめPerl / CPAN界隈のコミッタが多くいる。
CPANには「CPAN Testers」というテスト専門部隊がいる。何か上げるといろんな環境でテストした結果が続々返ってくるのでありがたい。
「オープンソースへの貢献は必ず帰ってくる。」
トークセッション
「クリエイティブ?」「技術力?」「デザイン?」「センス?」
二人のCTOが語るイマドキのサービスが生まれる思考と行動
カヤック貝畑氏×クックパッド橋本氏本音トークバトル
- タイトルどおり両社のCTOと技術評論社 馮さんのトークセッション。
- ひとつのサービスをじっくり作りこむクックパッド、とにかく数を出すカヤック。社風が両極端な二社のCTOの対談は、しかし「ユーザを喜ばせる」というゴールは共通している。
- 感想メモをtwitterにバラまいたのでダイジェスト。テキストがぐずぐずなのはご容赦願いたい。酔っ払いつつ、iPhoneでの入力も混ざってるので。
- 「マークアップエンジニア」。デザイナとプログラマをつなぐ存在。
- Rubyの世界の人たちはなぜか「愛」とか言い出す。
- 数をこなすことで得られるものがある。
- 作りたいものは寝ないで作る。作ったものでびっくりさせると勝った気分。
- 今年でラボ解散?
- BM11は今17人ぐらい。
- 数打ちゃあたる:オンリーワン。
- 慎重にやる。でもリリース時期は決める。(クックパッド)
- 忍耐力を争点にクックパッドとカヤックは喧嘩した。
- 社風はぜんぜん違うのにどっちもCTOがイケメン。
- 「改善フェーズ」。
- まずゴールを決める。だからすばやく開発もリファクタもできる。
- エンジニアは「自分の住みたい方向に」社会を変えられる。
- サービスが荒れたので8時間止めた。ユーザからの応援が殺到。
- 思いついたらすぐ作れ。
- 作りたいものがある人しか相手にしない。勝手に勉強する情熱がある人にしか興味がない。
- それがエンジニアの鑑。そうだよなー。手を動かせよ私。
- 理想と現実。カヤック:自分でなんとかできないやつはいらん。でも名刺もらった方はみんなwktkしまくり。信頼の上での放任、ビジョンのあるOJ。
その他感想
- {.mb}会場は若宮大路(鶴岡八幡宮の参道)に面している。薄暮の中、(早く着いちゃったので)駅から八幡様まで歩いてみたら、環境のよさに感嘆した。クックパッドのオフィス / 周辺も素敵だったし…。モノを作るのに、周辺環境が影響しないわけがないようなぁと実感。
- じゃんけん大会で勝ち残り、カヤックの書籍「Flashで作る AIRアプリケーション レシピブック」をいただいてしまった。「おばかアプリ」でもAIRのネタが多かったし、これから楽しくなりそうなプラットフォームであるのは間違いなさそうだ。ちょっと手を出してみよう。
- 料理も楽しめた。特にシメで出てきたしらす丼が大変うまかった。写真がひどいのが悔やまれる。
- カヤックの方にいろいろ質問できて楽しかった。そして、LT直後から「勉強会って…」と話しかけてくださった方がいて嬉しかった。交流大事だなぁと実感するとともに、勉強会をちゃんと「交流できる場」に育てていこう、と改めて心に決めた。
楽しく、そして刺激になるイベントに参加(あまつさえ発表まで)できたことをとても幸せに思う。クックパッドとカヤックの二社、そして技術評論社の皆様に感謝したい。ありがとうございました。
関連リンク
●インフォメーション:カヤック×クックパッド主催技術者交流会のお知らせ~おいしいソースのつくり方~,4月24日開催!|gihyo.jp … 技術評論社
http://gihyo.jp/news/info/2009/03/042001
●カヤック×クックパッド主催 技術者交流会のお知らせ~おいしいソースのつくり方~ : tech.kayac.com – KAYAC engineers’ blog
http://tech.kayac.com/archive/kayac-cookpad-engineers-event.html
●カヤック×クックパッド主催 技術者交流会のお知らせ~おいしいソースのつくり方~ ? クックパッド開発者ブログ