IPAX 2009に参加する
5/26(火)、水道橋プリズムホールで行われた「IPAX 2009」で、「プログラマとビジネス」というテーマに関わる二つのセッションを見てきた。
今回は試しに、会場で取ったメモをほぼそのままぶっ放す、という暴挙に出てみることにする。一応常にそのままエントリできるようメモっているつもりなのだが、長すぎるしテキストも荒れがちだしそううまくは行かないことがほとんどだった。今回はある程度余裕を持ってメモれた(Tsudaる余裕まであった)ので、テストケースとしてやらかしてみることにする。
というわけで例によって以下敬称略にて失礼する。とんでもなく長いのもご了承いただきたい。
-サイバード創業者が斬る!-
ネット最後の大型上場と言われたグリーと、ネット業界の風雲児エニグモが狙う
「これからのインターネット・イノベーションとは」
はじめに
- いきなり飛び入りゲストとしてGTE田中氏が紹介された。
- さらにいきなり、冒頭司会の真田氏によって「テーマ:なし」に変更された。
- <>(全角不等号)で囲ってある人名は発言者のことである。
- 「田中氏」が3人もいるというややこしい状態。メモ中の略号は後述。
- 「Q:」とされている箇所は司会の真田氏からパネラーへの問いかけである。
パネラー
真田 哲弥(司会 / KLab株式会社)
→以下「真田」
須田 将啓(株式会社エニグモ)
→以下「須田」
田中 禎人(株式会社エニグモ)
→以下「E田中」
田中 良和(グリー株式会社)
→以下「G田中」
田中 泰生(芸者東京エンターテインメント株式会社)
→以下「T田中」
会社紹介 / 自己紹介
<須田>
エニグモの収益モデル
バイマ:成約の手数料
シェアモ:現状収益ベースには乗ってない→広がったら広告で
<G田中>
GREEの現状
アクセスの9割以上はモバイル
→日本は3大サービス(mixi / GREE / モバゲータウン)トータルで8割ぐらいモバイル
Q:Myspace,Facebookが日本に入れない理由?
アメリカのサービスが世界を席巻する時代は5年前に終わった
三国をGoogleが席巻するかと思ったら失敗
モバイルが発展してる→特異、簡単に入れない
Q:GREEの海外展開?
考えてるけどモバイル環境の特異さがネック
→日本のモバイル端末は充実しすぎ
<T田中>
芸者東京エンターテインメントとは?
電脳フィギュア
AR
フラッシュ
「ハイテクはエロから」
<真田>
最近はモバイル以外の事業も展開中
ホワイトリスト型ウイルス対策ソフト
起業の経緯
<G田中>
楽天 個人向けサービスに興味があった
ショッピングレビュー、オークション、アフィリエイト
次はblogとSNSが来る
→事業化できないので趣味でひとりでやってた
→10万人ぐらいに膨らんだので起業
Q:もともとエンジニア?
文系出身、楽天でキャリアチェンジ
perlで挫折、PHPで復活
学生の頃からサービス構築が好きだった(MLとか)
Q:最近は?
開発は直接やってないけどサービス作る話が楽しい
いいサービスにはいい経営が必要なので経営頑張ってる
<E田中 / 須田>
Q:共同代表CEOというのはうまくいかない例が多いが?
<須田>
行きがかり上
元同僚、席が近いので話しかけられた
新しいサービスのアイデアをぶつけ合う
1年ほど二人でいろいろサービス開発
→起業時に差をつける必要もなかろう、ということで
<E田中>
役割を決めよう、という気もなかった
技術はよくわかんない(今も)
「実現するには須田が必要」
Q:最初のサービスは須田が作った?
<須田>
やるやると言ったものの結局ダメだった
→資金、エンジニアを集めて作った
Q:H社、仕事しながら起業の準備。給料もらってた?
<須田>
週末がんばった
<T田中>
モノ作りは苦手だった
→今でもなんでものづくりしてるか不思議
技術家庭のころから苦手
東大法学部→官僚を目指してた
官僚スキャンダルで考えた
賢い人は審判になりたがる
→商社、広告代理店など
世の中を変えるのはプレーヤーじゃないか
審判になろうと思ってた
→プレーヤーになったほうがいいんじゃないか
コンサル会社に勤務
審判寄りの仕事
もっとプレーヤー寄りになりたい
ゲーム会社で学ぶ
技術が少しずつ向上
→ドリブルからパス、シュートへ
やりたいことをやるために「会社を作ることになってしまった」
→選択肢が狭まって、結果的に
<真田>
最近の若者は「起業したい」が先に立っている
→やることはあとまわし
成功してる人は「やりたいこと」が先のケースが多い
Q:技術は社会に出てからでもなんとかなる?
<T田中>
学生時代は代返、まったく情報処理の勉強はしていないし興味もない
→ML見られないのでFAXでレスポンスしたり
ゲーム会社でいきなりPSのOpenGL
他の言語を見るとありえないほど簡単に見える
何も怖くなくなった
26からでもなんとかなった。これからもなるだろ
<G田中>
「楽天は素人のCTOが勉強しながら作った」
→お前もblogぐらい作れるだろ?と言われて勉強しながら作った
質疑応答(会場から)
Q:面白いサービスをマネタイズするには?
<G田中>
儲けようと思ってなかった
最近言うこと:広告と課金を半々ぐらいにしたい
広告:法人向け、不況に弱い
課金:個人向け、必要なら消費がある
PCは課金しにくいので広告
→課金・広告両方やってるので強い
日本最強はNTT
→個人に課金できるのは強い
IT / ネットはどうやって稼いでるのか忘れがち
→世間の大半のビジネスは「ひとにものを売る」
<真田>
Q:無料のものしかやらない、という時期から最近有料の世界にユーザが戻ってきてるような?
<G田中>
無料で済んでしまうものはたくさんある
課金しにくい世の中
ネットに限ったことじゃない
音楽:ライブとか。コピーしにくい価値を提供していく
GREEも同じ。オンリーワンのところに課金していく
<真田>
エニグモのビジネスは?課金・無料のバランスが微妙だけどどっちが中心に?
<E田中>
組み合わせ大事
歴史は繰り返す
学生時代:広告はもう古い、個人から取れないと失敗する、と教わった
→課金ビジネス(バイマ)
Google出現:
→無料、人を集めて広告
最近:
→やっぱ課金
バランス大事、収益のポートフォリオを持つこと大事
→エニグモではどっちかに特化していく気はない
<須田>
「面白いサービス」が先
→収益,PC/モバイルなど
形は変わるが広告は必ず残る
→ターゲティングとか
Q:不況をどう思ってる?影響は?対策は?
<G田中>
不況最高
好況:「なんとなく」で物事が続く
不況:より効率を求めないといけない
→漫然とTVCM打ってた予算がより効果の高い広告に振り向けるとか
社会のゆがみを正す方向に進み始める
採用をやめはじめる
→甘い社会人を一掃する
<真田>
ベンチャー経営者の法則
→経営者が集中してる世代がある
s.39,40世代:三木谷、宇野
→学生時代不動産バブル経験
s.49,50世代:堀江、藤田
→ITバブル経験
この世代の共通点
→会社がバカバカしくてやってられない
→起業しちゃう
<真田>
ネット/IT業界は影響有無がはっきり別れてる
→KLab内部でも好況不況がくっきり
不況の影響が大きい
人材紹介部門
金融向けセキュリティソリューション(個人情報関係)
→顧客企業に予算がつかない
モバイル向けキャンペーンサイトの受注が激減 →広告予算の削減
不況の影響を直接受けない
B2Cは好況
→GREEのように、ヒットすれば売れる
(ヒットしなきゃもちろんダメ)
受託開発系
価格競争で受注しているところが業績悪化
買い叩く客は不況時予算を出さない
高くて特徴を打ち出せる会社が強い
KLab:負荷分散が得意→高負荷の客のみがターゲット
<須田>
あまり不況を感じてない
広告は落ちてるがそれほど深刻じゃない
エニグモは単価小さな広告が多いので、かえってマスから流れたり
投資が集まりにくいのは感じる
周りに大変な会社がある
これから立ち上げるのは大変だろう
初期投資が必要なビッグビジネスは大変
手堅いB2Cとかがこの先いいんじゃないか
<真田>
スタートの時期で成功確率が変わる
ベンチャーの5年後生存率は20%以下
不況時に生まれたベンチャーはつぶれにくい
不況を前提にコスト構造を組み立てる
好況時に立ち上げたベンチャーは好況を前提にコスト構造を組み立てる
今後の流れは?
<真田>
iモードは10年に一度の大きな波だった
大きな波に乗るのが大事
ネット関連ビジネスの醍醐味
→web2.0という波はどうなる?
Q:つい最近のblogという大きな波は今後?
<E田中>
あんまり変わらない
形は変わっても基本的な構造はそのまま
blogの数は減ると思ってた(2~3年前)
→そんなことなかった
あまりblogのことを考えていない
Q:SNSの流れは?
<G田中>
インターネットはどこから来てどこへ行くのか?
→最大の関心事
SF的、脳が直結するまで続く流れなので発展と変化は終わることがない
トレンドはころころ変わる
→表面的なサービスの流行廃りには注目している
「メルマガ配信サービス」なんて最初はちょうすごいと思った
→今は「ふーん」
<E田中>
本質は変わらない。時代の要求に合わせることが大事
→発信したい欲求、つながりたいという欲求は普遍
<G田中>
日常生活を仮想化する流れが加速している
→「ファミレスでだべる」という行為を仮想空間に提供している
(SNSとかtwitterとか)
Q:次のトレンドを人より早くキャッチアップするには何をwatchすればいい?
<T田中>
「ARが来た!」
→日経とかオライリーが煽ってるだけ
ITは知識加工業
→あんまり「自分だけが知ってる新しいもの」はない
テレビのニュースで入ってくるネタ程度で十分
組み合わせに気づくかどうか
→日本から新しいものを出せる時代
<G田中>
トレンドは自分で生み出すものではない
社会の変化に気づくこと
→糸井重里
ピカソ
模倣は凡人のやること
模倣を超えたオリジナルを作るのが天才
似たようなアイデアでも何か突き抜ければオリジナルとなる
<E田中>
市場なくしてサービスは成り立たない
世の中の人たちがどんな行動をしているかを意識する
技術:何がはやっている、何ができるようになったか
それらの組み合わせが新しいものを作る
Kindle気になってる、いいと思ってる
→昔からあったものではある
薄い、解像度高い、大容量
市場の「液晶で読む」ことへの欲求が高まっている
→これから来るかも
いろんなものが組み合わさるタイミングを見つける
<須田>
トレンドを見る→ピンと来るための準備
ポニョ、SNS、なんで流行ったか考える
代理店時代のクセでもある
<真田>
多くのトレンドはアメリカ発
→アメリカ発のサービスが世界を席巻する時代ではないがアメリカ発のアイデアをローカライズしたものが流行ることが多い
インターネット業界ではアメリカの動向見ること大事
→アメリカそのままでは通用しない。特に日本ではローカライズ大事
日本国内にビジネスチャンスを発見する方法
PCで流行ったけどモバイルになってないもの
→モバイル向けアレンジを考える
開発者はPCに向かって開発している
PCのサービスを使う、PCの視点で考える
日本のインターネットアクセスはもはやモバイルが支配的
開発者と利用者に落差
→GREEが埋めたのはここ
ニーズ型、シーズ型
WinAmuletをマーケッターがピックアップ→別製品に
技術者はマーケッター集めてアイデアフラッシュするといいよ
→本来用途を超えて化ける可能性がある
この先の展開は?
<T田中>
ハードつきでものが出たほうが強い
→資金がすごくかかる(最低100億とか!)
→日本ではそういうベンチャーは出にくい
100億集めるためのサービスを作りたい
→ネット上のサービスは元手が少なくて済む
5年ぐらい頑張る
頑張る家庭で得るもの大きい
→チームビルド、面白いものを作るノウハウ
<G田中>
方向性は決まってない
→SONYは?任天堂は?Appleは?創業時、ゴールを決めてたか?
大きな方向は決めるけど細かいことはその場で
個人向けインターネットサービス、という方向
SNSでもECでもblogでもなんでもいい
できること、いいと思ったことを世の中に貢献していきたい
重要なエンジニアとは…
世の中を変える
使われる
儲かる
→サービスを作るのが重要な人間
<E田中>
新しいサービスをどんどん作っていきたい
今あるべきサービス、時代に必要とされているサービス
結果的に世の中を変えるようなサービスを作れるようになりたい
最近思ってること
破綻し始めている業界、ビジネスモデルを救いたい
エニグモの規模でも本気でコミットすれば変えられるんじゃないか
<須田>
新しいウォークマンを作りたい
感想
- 技術者なので当然なのだが、主に技術系の勉強会に行って技術者の話を聞くことが多い。なので、自分がメシを食っている業界の若い経営者の話、というのはものすごく刺激になった。これは先週行ってきた「エンジニアの未来サミット」でも共通して感じたこと。私もいい歳なので、「技術がもたらす価値」というものを意識している必要がある。
- 要約するのは難しいが、あとでじわっと効いてきそうな発言がたくさんあった。しばらくしたら読み返してみよう。
天才プログラマー起業家2名と、6社の創業に携わり、内1社を上場させた男が語る、
2度と聞けない「プログラマー×起業」
パネラー
- 平石 郁生(モデレータ / 株式会社ドリームビジョン)
- 登 大遊(ソフトイーサ株式会社)
- 福野 泰介(株式会社 jig.jp)
テーマ
- 二人がどうやってプログラマとしての腕を事業化したか
事業化の経緯
<平石>
優秀なプログラマでも事業化(起業)してる例は少ない
どうしたら優秀なプログラムを事業化できるか?
<登>
- SoftEtherを公開したらwebで講評
- 三菱マテリアルが商品化を持ちかける
- 起業したら手続きがラク
- 当時18歳、契約に保護者の同意が必要
- 保護者の承認(はんこ)が必要
- 実家は兵庫
<福野>
起業はjig.jpが3社目
ドットコムバブル時に高専卒業
→親にそそのかされて、みたいなノリで起業
→強い「思い」がなくて始めたので抜けちゃった(CTOやってた)
2社目:研究職っぽい感じ
3社目(jig.jp)
直接お客相手のビジネスをしたいと思っていた
→2003年オファーがあって起業
<平石>
チャンスを引き寄せる行動とは?
<登>
普段から気をつけていること必要
→ボーっとしてたら過ぎちゃう
中学生の頃からWindowsアプリを公開してた
公開して使ってもらう、という楽しみを知っていた
企業化の話があったので乗った
公開する習慣がなければ乗らなかった
<福野>
ソフト公開するのが好き
→窓の杜のミラーサーバ作り
→ヒットするな?と思って公開したら案の定
作ったものを公開することでソフトウェアのチカラが広がる
→ネットがある時代でラッキー
とにかく行動する
→犬も歩けば棒にあたる(いい意味で)
あきらめないこと
→続けていれば時系列に比例してラッキーなことが増えるはず
プログラミングとの出会い
<平石>
二人は小学生のころからプログラミングしているが、プログラムを書こう!と思ったきっかけは?
<福野>
ものを作るのが好きだった
→近所のお絵かき教室に通ったり
自分で作ったものと市販の商品とのクオリティ差が悔しかった
→ミニ四駆とか
ソフトウェアならいけそう
→ファミコンソフトとか
ファミリーベーシックがほしかった
親が間違えてMSX買ってきた
それ以来プログラミングが好きに
ラッキーなこと
取説がリファレンス
図書館に子供向けの入門書
<登>
家に父親のPC-8001があった
スーパーマリオブラザーズ3の難しいステージがクリアできなかった
友達:「プログラミングを覚えればチートできる」
改造のために勉強した
→そのときは失敗したがいろいろ書けるようになった
中学校の先輩:「BASICはイケてない。アセンブラとCだ!」
→勉強した
放送部員だった
スイッチングして放送するのがめんどうだった
→プログラムで自動化、iモードでリモートアクセス
携帯のメモリ管理ソフトをシェアウェア販売
→200万ぐらいの収入
Windowsプログラミングの本を書いた
<平石> 今解決したいと思ってる課題は?
<福野>
ライフワークとして考えている問題
永遠の時間がほしい
極限まで効率を高めたい
今ほしいものをすぐ手に入れたい
Q:具体的には?
→モバイル向けのプログラムをモバイルで作りたい
<登>
光ファイバ通信のコストの問題
拠点と拠点をつなぐだけで(広域イーサネット装置はBフレと同じなのに)ものすごいコスト
→ソフトウェアで解決したい
コンピュータで「不幸になった」という話を聞く
忙しくなった
幸福は増えたの?
必死に働かなくても豊かな社会を
→プログラムで解決したい
プログラマと起業
<平石>
未踏に選抜(50人とか)のすごい人はいる
→数人がスーパープログラマ
事業化する人は少ない
障害は?
解決法は?
リスクは?
<福野>
世の中に貢献したいと思ってる気持ちが重要
→フィードバック→改善→価値を提供、というループを回してこそ「貢献」
1年くらいやってみたら?いろんな助けがもらえるよ
→アドバイスとか、VCとか。
ビジネスを始めるための環境は整ってる
みんな待ち焦がれている
一歩踏み出すのが重要
<登>
普通のやり方でやったら難しい
→変わったことを考えればいい
起業する前に面倒なことをやってしまう
ビジネスモデルの問題から諸手続きまで会社なり大学なりにいる間に準備してしまえ
→あと法務局に行くだけ、まで準備しておいてから起業すればいい
三菱マテリアルから話が来たとき、すべてソフトウェアはできていた
→今思えばもっとスムーズにできたかも
<平石>
未踏採択者ならお金と時間をもらえるから準備はできるはず
<登>
一年準備してもビジネスモデルが見えないようなプロダクトは起業に値しない
<平石>
資本金の調達方法は?
<福野>
おばあちゃんに借りた(1千万)
1社目、2社目は自己資金
3社目は株式会社だったので借りた
→投資も受けた
追加調達はあまりしていない
<平石>
ネットバブル:起業するほうもキャピタリストも浮かれてる
キャピタリストはリターンを期待する
利益の極大化に成功した人はお金持ちになった
最近の景気とかもあるし、金儲けのためだけじゃないよね?
投資家に対してのリターンは?
天才プログラマといえども踏み出しにくい
リターンの極大化
<平石>
Q:将来の目標は?会社大きくとか上場とか
<福野>
もっと多くの人に使ってもらう、もっと価値を提供する
→リターンはそれについてくる
リターンありきで商売してるわけじゃない
Q:jigブラウザの利用者は?
→体験版含めて250万ぐらい
<登>
資本金100万でスタート
- 未踏の貯金が60万
- 創業メンバで20万ずつ出し合う
<平石>
Q:将来の目標は?会社大きくとか上場とか
<登>
突き詰めて考えるとお金、ユーザ数、その辺は評点
役に立つのが目的
ズルをして評点を稼ぐのではない
「役に立つ」という目標の達成度についてくる
評点(お金)は道具にもなる
収益を上げることで「世の中を変えるための権限を与えられる」
失うこと、損をすることに恐怖心を持つ
目標
金儲けを深く考えずに価値を追及した
20年後これだけ成長した、という結果がついてきたらいい
後に続く人が恐怖心なく始められる
質疑応答(会場から)
Q:開発していると独りよがりになりがち。ユーザ視点を保つためのコツは?
<福野>
使ってもらうところを見る
<登>
初めて使った人の気分に同化するといい、という経験
Q:社会の役に立つ手段がプログラミングじゃなかったら、プログラミングと事業、どっちを選ぶ?
<登>
究極の選択になった時点でもう答えは出ている。
→目的が定まっていないから迷う。
<福野>
プログラミングはスキル、語学
プログラマが起業は最強だと思ってる
→目的に対して最適なことをするだけ
プログラマはファンタジア。魔術師。
→スキルをうまく生かす方向で考える。
Q:他の社長を探すという選択肢は?
<登>
自分は今会長。経営得意な人がいれば頼るのもいい。
「起業したいから社長を探す」は危険では。
<福野>
作るのは好きだが使ってもらうのも好き。
全体の責任を持ちたいので社長をしている。
バランスをとりながらやってる今の状態は気に入っている。
まとめ
<平石>
どうすれば優秀なソフトウェアが事業化されるか?そういう人が増えるか?
未踏クリエータ(=税金でインキュベートされてる)が素晴らしい製品を世に出せるのか?
<福野>
コミュニケーション不足
成果=創造×伝達
→作ったものが伝達されないと価値は生まれない
伝達手段はネットで飛躍的に広がった
伝達手段はプログラマが作れる
→もっと伝達しよう
<登>
優秀なプログラマが効率よく幸福に仕事をするには2種類の道がある
給料をもらって働く
自分で起業する
よく考えるべき
迷ったとき、周囲の声の多数決は気にしない
とにかく深く考えるべき
目標にしている会社、人物の歴史や過去
起業することになったら?
素晴らしい
厄介な問題がたくさんある
論理的に考える能力が重要
契約書を作るなど面倒な問題もプログラマだったら論理志向で乗り切れる。非プログラマに対してのアドバンテージ
プログラミング以外のドメインも、プログラマとしてうまくやってきた能力があればきっと乗り切れる
スキルを活用してない人はもったいない
感想
- 前のセッションと違って、「プログラマが起業した」ケースについての話。タイトルの「2度と聞けない」はハッタリきかせすぎじゃないの?とか思ったがとんでもない。心底聞けてよかった。
- 「プログラマは起業に向いてる」に衝撃を受けた。技術力のあるスーツ最強、ということか。
- 「未踏IT人材発掘・育成事業」は9/30まで受付。むむ…。
イベント全体の感想
イベントについていくつか声を上げておきたいことがあるので、あえて別セクションにして書く。
期日のどっちかを土日に!
→未踏採択者のブースがあったのだが、見た感じ微妙にガラーンとしていた。セッションにも空席が目立った。やってることは内容があるし有意義なので、もっと多数にリーチする努力をすべき。意欲があるけど平日は働いてる来場者にとっても、スピーカー / 採択者にとってもメリットはあるはず。
電源ほしいです
→採択者のブースなどには(当然ながら)ふんだんに供給されていた。会場のどこかにパブリックな電源を用意してほしかったなぁ。
ustream中継をすべき
→録画はしてたのかな?文字通り「2度と聞けな」くする必要はないはず。
ということで物申したいことはあるが、大変有意義なイベントだった。採択者のブースは翌日ちゃんと見よう…と思っていたら、その翌日は仕事でトラブルが発生したため行けず大変悲しい思いをした。