9/8(火)、芝浦港南区民センターで行われた「アジャイルな見積りと計画づくり」読書会#1に参加してきた。

DevLOVEは、勉強会カンファレンス2009Tech・EDでご一緒した、@papanda主催のコミュニティ。二度も登壇したのも何かの縁だし、プランニングポーカーという手法にも興味がある。買うだけ買って積んだままだった「アジャイルな見積りと計画作り」を引っ張り出して参加してきた。

プランニングポーカーとは?

ここでは、当日行われた手順に則って説明している。

  • アジャイルな見積りと計画作り」第6章で紹介されている見積技法

  • とある事柄を見積もる際、チーム全員で数字の書かれたカードを出して行う

  • カードは10種類(0, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 20, 40, 100)

  • 合図で同時に出す(あとだし禁止)

  • 一番大きな / 小さな数字を出した参加者は、根拠について説明する

  • 批判的にならないよう注意

  • 必要なら再見積を行う

  • 2回まで

  • チームの合意が取れた数字を最終的な見積として採用する

例題

スタジオジブリ作品の入場者数を見積もる
<th>
  作品名
</th>

<th>
  入場者数
</th>
<td>
  千と千尋の神隠し
</td>

<td align="right">
  4
</td>
<td>
  ハウルの動く城
</td>

<td align="right">
  ?
</td>
<td>
  もののけ姫
</td>

<td align="right">
  ?
</td>
<td>
  崖の上のポニョ
</td>

<td align="right">
  ?
</td>
<td>
  ゲド戦記
</td>

<td align="right">
  1
</td>
順位
1
2
3
4
5
  • 第5位「ゲド戦記」の入場者数を1とする
  • 第1位「千と千尋の神隠し」の入場者数は4である
  • 第2位~第4位の入場者数を見積もってみよう

このケースでは正解を出すことよりも手順に慣れることを主目的とする。正解はwikipedia参照。

実演

折り紙で「つる」「かぶと」「手裏剣」を作る
  • テーブルには折り紙と3種類の手順書が配られる

  • それぞれを折るのにかかる工数をポーカーで見積もる

  • それぞれに担当者を決める

  • 「かぶと」を実際に作る

    →所要時間を計測しておく

  • 「かぶと」の所要時間を元に残り2つを再度見積もる

  • 残り2つを実際に折る

    →所要時間を計測しておく

  • 見積と実測値を比較して振り返りを行う

振り返り

前半の実演に際して、数字が書かれたカードが配られている。各テーブルは4~5人、裏面の絵柄は5種類。各テーブル1種類ずつ配り、後半の振り返りでは「同じ絵柄のカードを持った人を集める」というロジックで席替えを行う。こうすることによってある程度まんべんなくコミュニケーションを行うことができ、さらに実演テーブルすべての経験がすべての振り返りテーブルに持ち込まれる。

振り返ってみる
  • 手順書では簡単に見えた「手裏剣」に意外と手間取った

  • 最初の見積で作る基準が複数あった

  • 一番簡単そうな「かぶと」を1とする

  • 中間と思われる「手裏剣」を5とする

  • 過去に作ったことがあるかどうかが工数に大きく影響した

  • 見積もることによって「予想所要時間」が算出されると、それにあわせようという心理が働く

  • 今回の例題では「品質」というファクターを考慮していないが、品質も含めるとさらに見積は難しくなる

感想

  • 実演 / 振り返りとも、各テーブルで一緒になったみなさんと話し合い、手を動かすことを中心に進む。ワークショップ形式の勉強会にはあまり出ていなかったので新鮮な体験だった。
  • コミュニケーションするためのきっかけとして有効な手段だと感じた。入口はシステマイズされているため導入しやすく、出口にたどり着くにはきちんと話し合う必要がある。
  • いつも参加しているイベントよりやや年齢層は高めだった。今回が勉強会初参加、という方がかなりいたようだ。

090913_183836

写真は配布されたポーカーのカードと実際に作った手裏剣。カードの絵柄が5種類あり、それぞれなんか可愛いデザインだった。手裏剣は私が担当したのだが、作成途中で見積が甘かったことに気づいて急いで作業したため、品質の点ではかなり問題のある仕上がりになってしまった。

懇親会まで参加し、いろいろ話すことができた。アジャイル開発の大きなテーマでもある「コミュニケーション」。開発の技術と同じかそれ以上に大事な要素なので、それについて話し、学ぶことができたのは大きな収穫だった。ぜひまた参加したい。


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9月8日 DevLOVE 「アジャイルな見積りと計画づくり」読書会#1

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