マストドンの流行とfriends.nicoと超会議

2017年4月、日本で分散型SNS「Mastodon」のムーブメントが勃発しました。ASCII.jpの記事の記事と、それに触発された日本語インスタンス「mstdn.jpの設立をきっかけに、企業や個人のインスタンスが次々と立ち、関連するイベントが次々と開催され、あっという間に書籍まで発売されました。

身の回りでも、「friends.nico」の立ち上げとともにどったんばったんの大騒ぎが勃発。ニコニコ超会議にブースを出したり、ステッカー出して配ったり、mstdn.jpの管理人ぬるかるの入社が決まったり…と、4月の後半はひたすらばたばたしていたのでした。

その超会議では「超技術書典」という技術系同人誌の即売会が併催されました。その中の「ライブ同人誌執筆」という企画に急遽著者としてアサインされたので、この顛末をまとめた薄い本を執筆・即売してきました。プリントしたぶんは完売御礼なので、PDFを販売できないか検討しています。


マストドン開発者Eugen Rochko氏とマストドンイベント

5月になって騒動はやや沈静化し、超会議も終わってやっと一息…というタイミングで、新たなミッションが発生しました。

「マストドン開発者Eugen Rochko氏を、Interop Tokyo 2017「マストドン」ブリーフィング基調講演とマストドン会議3に登壇させよ!」というもの。

諸事情により来日してもらうのはかなわず、Skypeでのオンライン登壇となったのですが、氏とイベント主催者の調整をひととおり回していたため、僕の5月はひきつづきどったんばったんしていたのでした。

イベントそのものは盛況で、開発者の声を直接聞くことでマストドンの思想的な面や今後の展望などへの理解も得られ、有意義なものになったと言えるでしょう。

ちなみに日本語の記事では「オイゲン・ロッコ」と記述されることが多いですが、事前のSkypeミーティングで聞いたところ、実際の読みは「ロチコ」もしくは「ラチコ」の方が正しいようでした。

新橋.beer

と、ここまでマストドンに関わってしまったのに、自分でやってみない手はないだろう。そう思い立ち、早速立ててみることにしました。

  • バージョン * 1.4.2
    • 環境
      • AWS
      • EC2
        • Ubuntu 16.04
        • docker-compose
      • S3
      • SES
      • Route 53

参考にしたテキストはこちらです。ELB導入の手前までで、実際に動作させることができました。

ハマりポイント

dockerのバージョンが古かった

手順どおりにdockerとdocker-composeをインストールしても、dockerとつながらずにbuildできませんでした。ログをよーくみると「バージョンが古いよ」とのことなので、apt-get remove でdockerをuninstallし、公式の手順でdocker-ceをインストールしたところ動くようになりました。

S3のバケット名にドットを使ってしまった

アップロードしたアイコンや写真を格納するためにS3バケットを用意したのですが、安易にサイト名同様 simbashi.beer とつけたところ、S3で静的ファイルを直接配信するStatick Website Hostingを使う場合ドット以前がサブドメインとして見なされ、証明書の計画が出てしまう、という罠を経験しました。

バケットはリネームできないので、別名で作って中身をコピーしアプリ側の設定を変更することで、無事画像も配信されました。

ということで

久しぶりにWebアプリを動かすなんてことをしたわけですが、AWSもdockerも便利すぎてびっくりしました。RedisやPostgreSQLのインストールと設定を一切意識しなくていいというのは開発側にとってこんなにラクなことだったのかと、今更感たっぷりに思いました。

立てたインスタンスは「新橋.beer」。新橋を中心に飲み歩く人向けの「地域インスタンス」という位置づけです。friends.nico開発者まさらっきの立てた「おっさん専用出会い系にしようぜ」という目標に向かって、粛々と運用していきます。よろしければぜひご参加ください。