2024/10/05に開催されたYAPC::Hakodate 2024に参加して、前夜祭に登壇してきました。

前夜祭での登壇

ことの発端はYAPC::HakodateのCfPに「エンジニアが50歳を超えると何が起こるのか」というプロポーザルを送ったことでした。

今回はめっちゃ高倍率かつ採択されたセッションはどれも面白くて(当日聴いてほわーとなった)、リジェクトは順当な結果だなあとは思っていました。そしたら運営から「前夜祭に登壇しませんか?」との連絡が。マブダチの@ogijunと憧れのエンジニアである@makogaから、奇しくも同じテーマのプロポーザルが提出されていたのでした。

そんなわけで、ぼくがソロでしゃべるよりも1024倍いいセッションになったと思われる座談会「必ず来る未来?IT業界での50代をどう過ごす?」が爆誕したのでした。

三者三様のキャリアだけど、一直線じゃないところだけは共通していたのが面白ポイントでした。若い人がそのまま参考にするにはだいぶ無理があるけど、現状にしがみつく以外の選択肢があるってメッセージは送れたんじゃないかなと思っています。

ぼくが話したことはだいたい「年配者のために若い人とのコミュニケーションや生存戦略について話した」のダイジェストです。若い人は優秀、年配者は認識が衰える、そんな状況でなにを価値として提供できるか、みたいな話をしました。

座談会のあと、参加者から何度かセッションの内容について話しかけてもらえました。そっか、みんなのお悩みポイントなんだな…と実感できたので、いろんなフォーマットでアウトプットを続けようと思います。

感極まった

会期中、企業ロゴの入ったハッピを着た若いエンジニアに話しかけられました。なんと、N高でプログラミングを学び、卒業してエンジニアになったとのこと。在籍期間もかぶっているので、正真正銘ぼくの後輩が函館のカンファレンスでエンジニアとしてスポンサーブースに立ってるということです。

50歳を過ぎるまでいろんな仕事をして、嬉しいことも悲しいこともあったけど、どう思い返しても嬉しいランキングのベスト3入りは確定の出来事でした。仕事してきてよかった、と心底思えたし、いやまじでほんとおれしあわせものだ。ありがとう。

イベントとセッション

今回はセッション枠20に対してプロポーザルが150以上寄せられたとのこと。選ぶ方も大変だったろうな…。前夜祭のrejectconがすでにめちゃくちゃ面白かったので、本編どうなっちゃうの?と思ったらめちゃくちゃ面白かったです。

聴いたセッションからいくつか印象に残ったものを紹介します。

今日から始める大規模言語モデルのプロダクト活用 by 松本 勇気

LLMを「じゃぶじゃぶ使う」こと、そのコスト感と経営との関係を話してくれたのがめっちゃよかったです。ちゃんと「じゃぶじゃぶ」を説明できる数字大事だし、エンジニアにこそそういう視点必要よね。

データマイグレーションの成功戦略:サービスリニューアルで失敗しないための実践ガイド by 瀧澤崇

データマイグレーションって一見地味でめんどくさくて避けたいやつだけど、そこを重点してた@tkzwtksがYAPCで輝く、といういいセッションでした。しくじると死ぬやつだし、大人の事情に振り回されがちだし、大変よね。全国のこういうことやってるエンジニアには励みになったと思います。

誰になんと言われても「いい開発環境」を作りたくて頑張っている話 by Tatsuro Hisamori

組織をちゃんとやっていくぞ、というEMにとっては普通で大事な話で、その前に技術で課題解決をしていく話が入ったいいセッションでした。DevcontainerCodespaces、リモートワーク時代の可能性を切り拓くやつな気がするので、手元で掘ってみようと思います。

クレジットカードを製造する技術 by Yuta Horii

これはシンプルに知的好奇心が刺激されまくったセッション。クレジットカードの番号って!ICチップって!!店舗端末って!!!と、知らなかった面倒そうな世界を、エンジニアがわかる言葉で話してくれるよいセッションでした。

Lightning Talks

LTはカンファレンスの華!短くて濃いトークが連発されて、現地で聴けたのが幸せな時間でした。

全部めちゃくちゃよかったんだけど、個人的に推したいのは@chobishiba自分だけの世界を創るクリエイティブコーディング。現在の業務と直接関係ないことを好奇心と熱意でやってたらいろんな広がりがあって、それがキャリアとか現在の業務とかにも(結果的に)プラスになって返ってきたという、ぼくらがコミュニティで知ったことが5分に凝集したとてもよいLTだと思いました。

「この感じ」(抽象的)を誰かに伝えるの、どうしたらいいんだろう?とずっと悩んでいます。

キーノート

これだけ濃いカンファレンスのキーノート、いったいどうなっちゃうの…?と思ったら、「手を動かすやつがカッコいい」というHacker Centricなトークでめちゃくちゃよかった。前夜祭トークの3人のうちぼくだけここしばらく日本語しか書いてないのでううううっとなりつつ、量が質に転化するの知ってる!やる!!しんどいときもあるけど!!!みたいな時間でした。@moznionすげえな、かっこいいな(敬称略)。

旅行記

東京在住のぼくにとっては東京以外で実施されるカンファレンスは「旅行する口実」になるわけです。今回もご家庭を全部うっちゃって3泊4日全力でエンジョイさせていただきました!楽しかった!!白い恋人と鮭とば買ったから許して!!!(私信)

Day -1

前夜祭の前日に新幹線で小雨の函館に到着しました。さっそくビールを軸に飲食店を巡ります。

ozigi

まずはブルーイングパブから。周年ビールの「いちごセゾン」がナイスでした。ドライでキリっとしたセゾンに適度ないちごの風味と酸味がのっていて、到着即「函館いいじゃん!」となりました。

エンデバー

SNSで教えてもらい、路面電車で函館を横断してたどりつきました。漢方薬の素材を使ったセゾンがめっちゃおいしい養命酒で面白かった。

魚まさ

「明日から函館なんだよね」と長男に調べてもらった居酒屋。中学生になにさせてるんや感はあるのですが、函館初心者には名物をひとまわり教えてくれるよいお店でした。

Day 0

前夜祭は16時からなので、函館市内をエンジョイします。

きくよ食堂

「函館朝市」の有名店で海鮮丼。観光地で観光客ムーブをかますことができて満足です。ウニとイクラが混ざった米は本当にうまい。

谷龍

海鮮丼が小ぶりだったのでもうちょっと…と思ってたら見つけた、朝ラー500円というありがたいお店。ダシがしっかり効いたよいラーメンでした。

五稜郭タワー

函館名物五稜郭。特徴的な形は上から見ないとわからんよねそりゃ、ということで100mぐらいの高さから眺める展望台に登ってきました。引き続き小雨で眺望ゼロだったけど、五稜郭のフォルムはしっかり見えたので登ってよかった。

グルメ回転寿司函太郎

さて昼食どうするか、と歩いていたら見つけた回転寿司。さすが地元の有名店、函館っぽいいろいろを手頃なサイズと値段で食べられました。

公立はこだて未来大学

前夜祭の会場に一番乗り…と思ったら、本編とは別会場ということを認識しそこねていました。パネルディスカッションのネタを体を張って仕込んでしまった…。

前夜祭

楽しかった!!!

セッションがみんな面白くて、これがrejectconnなら本編どうなっちゃうの?と期待が高まりまくりました。

エンデバー

昨日予習したエンデバーが近かったのでわちゃわちゃと乗り込みました。ラストオーダー直前なのに対応してもらえて感謝しかありません。

活魚料理 いか清

函館駅に移動して飲み会に合流。やっぱり函館に来たら活イカでしょ!という欲求が満たされてよかった。

Day 1

本編の日は素晴らしい快晴。朝食は雑に済ませてタクシーで会場に向かいました。「この坂近道なんですよ。でも冬は雪があるから無理なんですよ」という豆知識を仕入れつつ会場着。

公立はこだて未来大学

今度こそ本編、素晴らしい好天。Perl Mongersの日頃の行いがよいのでしょうね。芝生広場も校舎内も居心地のよい、素晴らしい学校でした。うちの長男もここ行きたいって言い出したら全力支援だな!

懇親会

函館駅前のホテルに移動して懇親会。地元の肉がふんだんに出てきて、メシ的に満足度が高いパーティでした。サッポロクラシックを山ほど飲みながらたくさん会話できて楽しかった。

lol

二次会には申し込み損ねていたので、探しておいたビアバーにソロで。YAPC参加者が先に飲んでいて、ビールの話をたくさんできて満足でした。

Day 2

引き続き快晴。函館山に登るぞ!と決めていたので、朝風呂のあと手早くチェックアウトしました。

一花亭たびじ

朝食は函館朝市で。今年はイカが不漁らしくて活イカはなかったけど、イカ刺しと一膳サイズの海鮮丼で朝から優勝でした。

函館山

ロープウェイで3分のところを、1時間近く歩いて登りました。低山だけどYamapでルート作ったら面白い寄り道できたし、北海道の植生は目新しかったし、気温もちょうどよかったし、楽しいトレッキングになりました。これを見越してちょっぴり登山対応の靴を履いてったの、大正解。

White Seed

昨日のlolで教えてもらったビアバー、めっちゃいいところでした。店主さんとYAPCにも参加してたビアギークとこってりビールの話できて楽しかった。来年から自家醸造するらしいので、それも楽しみというかまた函館に来る理由ができてしまいました。

立待岬

登山とビールのあとは風呂だ!と谷地腹温泉を目指して歩いてたら、ちょっと先に観光地があるので行ってみました。本州とは全然違う地形で面白かった。

谷地頭温泉

散歩の上乗せもあって汗だくで到着した温泉。函館特有のこってりした温泉に年季の入ったサウナと水風呂。露天風呂もあり最高でした。

次は福岡?

ぶっちゃけひとり合同会社で仕事してると、首都圏以外のカンファレンスに参加するのは趣味の領域です。でも参加するたびに来てよかった、家で座ってなくてよかったと思います。外からの刺激を取り入れてかないと、心身ともに劣化していっちゃうよね。

次は来年福岡でやるかも、2daysになるかも、という乞うご期待アナウンスがあったし、RubyKaigiは松山だし、来年も忙しくなりそうだ!楽しみだな!!