技術広報のこころ

「はじめに」より

本書では、エンジニアリング界隈で耳にすることが増えてきた「技術広報」という仕事について論じます。

筆者は2016年ごろ、まだ「技術広報」という言葉が定着する前からこの仕事に従事してきました。手探りと体当たりで得た経験から、技術広報とはいったいなんであり、なにが目的なのか。どのような業務があり、どのような知識や経験が必要なのか。ステークホルダーは誰なのか、そしてどんなキャリアが積めるのか。そのようなことが少しずつ見えるようになりました。

技術広報は、テックブログを書いたりカンファレンスにブースを出したりする仕事である、と見られがちです。しかし、本質的にはエンジニア個人とエンジニアリング組織を活性化し、より生産性高く活躍できる場を整地していくという、重要で難しく、そして楽しい仕事です。

最近は技術広報という仕事が注目されるようになり、従事する人の数も増えてきました。さまざまな事情と思惑を抱えて「技術広報」という仕事に取り組む方のために、筆者の経験が少しでも役に立てばという願いから、本書を執筆しました。

目次

第 I 部 入門・技術広報

第 1 章 技術広報とはなにか

  • 1.1 広報とは
  • 1.2 技術広報とは
  • 1.3 技術広報とDevRel

第 2 章 技術広報とメタエンジニアリング

  • 2.1 メタエンジニアリングとは
  • 2.2 技術広報と採用
  • 2.3 技術広報と組織開発
  • 2.4 広報活動だけが技術広報ではない

第 II 部 実践・技術広報

第 3 章 技術情報発信

  • 3.1 技術情報の発信から始まる技術広報
  • 3.2 ブログ
  • 3.3 登壇
  • 3.4 執筆
  • 3.5 OSS
  • 3.6 PodCast・動画
  • 3.7 技術情報の発信を活性化するために

第 4 章 カンファレンス協賛

  • 4.1 技術カンファレンスとは
  • 4.2 技術カンファレンスの分類
  • 4.3 技術カンファレンスの目的
  • 4.4 カンファレンス協賛の実際
  • 4.5 技術カンファレンスに行こう!
  • 4.6 「全方よし」を目指そう

第 5 章 イベント開催

  • 5.1 イベントの種類
  • 5.2 イベント開催の準備
  • 5.3 イベント当日の運営
  • 5.4 イベント終了後のあれこれ
  • 5.5 巨人の肩に乗ろう
  • 5.6 「勉強会」が好きだから

第 III 部 応用・技術広報

第 6 章 技術広報と組織開発

  • 6.1 技術広報とアウトプットと組織開発
  • 6.2 アウトプットを活性化するには
  • 6.3 技術広報とカンファレンスと組織開発
  • 6.4 アウトプットとカンファレンス文化がもたらすもの
  • 6.5 技術広報はひとりではない、ひとりではできない

第 7 章 技術広報と経営

  • 7.1. 技術広報はメタエンジニアリングである
  • 7.2 技術広報の財源
  • 7.3 技術広報の成果
  • 7.4 味方をみつけよう

第 8 章 技術広報とキャリア

  • 8.1 技術広報に至るキャリア
  • 8.2 技術広報から続くキャリア
  • 8.3 未来は僕等の手の中