メタエンジニアリング

〜【第2版】 技術広報・採用・組織開発による個人と組織の支援〜

エンジニアとエンジニアリング組織の生産性を向上させるための取り組みである「メタエンジニアリング」(技術広報・採用・組織開発)の理論と実践、そしてその先にあるものについて考えた本です。

「はじめに」より

本書はエンジニアである筆者の経験から、エンジニアとエンジニアリング組織の生産性を高めるための取り組みを「@{メタエンジニアリング}」と名付け、その定義や目的を明らかにし、活動領域における知見を記録し、さらには経営やキャリアとの関係を考察したものです。

エンジニアの業務領域には、設計・開発や運用・保守といったエンジニアリングそのもののほかにも、さまざまなタスクや課題が存在します。「メタエンジニアリング」とは、それらのタスクや課題をエンジニアリングに関する知識や経験を活かして改善・解決することで、エンジニアとエンジニアリング組織の生産性を向上する取り組みのことです。

「世界はソフトウェアでできている」とよしおかひろたかさんがおっしゃったのは2016年のことです。そこからさらに長い年月が経った今では、手元のスマートフォンからクラウドの向こうまで、至るところにコンピューターとそこで動くソフトウェアがあり、それらが存在しない日々を想像することも難しくなりました。ソフトウェアがビジネスにも日常生活にも娯楽にも必需品であるならば、それを作り出すエンジニアが高いモチベーションを持ち、楽しさとやりがいを感じながらエンジニアリングに取り組むことこそが、世の中をよい方向に変えていくために不可欠なのです。

本書と筆者の経験が、エンジニアひとりひとりと、その所属するエンジニアリング組織を少しでもよくする一助になれば、と願って筆を執りました。筆者もエンジニアの末席に連なるひとりとして、世の中をよい方向に変えていきたいと常に願っています。

第1版との違い

第2版は次のような修正を行なっています。

  • 執筆環境をRe:VIEW + TechBooster/ReVIEW-Templateに変更しました
  • 判型をA5からB5に変更しました
  • 巻末の参考リンクなどを脚注に移動しました
  • 誤字脱字を修正する、漢字をひらく、見出しを追加するなどして読みやすくしました
  • 第2版のためのあとがきと既刊紹介を追加しました

技術書典マーケットから電子版をご購入いただいた方は、書籍ページから第2版がダウンロードできるはずです。

第1版を紙の書籍でお持ちの方は、書い直すほどの違いはありません。ファンアイテムとして並べたい方のみご購入いただければと思います。

目次

第 I 部 メタエンジニアリングの理論

第 1 章 メタエンジニアリングとは何か?

  • 1.1 メタエンジニアリングとは
  • 1.2 メタエンジニアリングの領域
  • 1.3 エンジニアリングとメタエンジニアリングの関係

第 2 章 メタエンジニアリングの活動領域

  • 2.1 技術広報
  • 2.2 採用
  • 2.3 組織開発

第 II 部 メタエンジニアリングの実践

第 3 章 技術広報

  • 3.1 技術情報の発信
  • 3.2 イベント開催
  • 3.3 カンファレンス協賛
  • 3.4 広報活動だけが技術広報ではない

第 4 章 採用

  • 4.1 候補者体験の理解と課題の発見
  • 4.2 人事部門との協調
  • 4.3 現場のエンジニアやチームとの協調
  • 4.4 求める人物像と採用基準の明文化
  • 4.5 採用担当者の発見と育成
  • 4.6 採用はタフだからこそおもしろい

第 5 章 組織開発

  • 5.1 エンジニアとチームに向けたもの
  • 5.2 エンジニアリング組織とマネジメントに向けたもの
  • 5.3 他部門に向けたもの
  • 5.4 なんでもやる箱の底にたったひとつ残ったもの

第 III 部 メタエンジニアリングの未来

第 6 章 経営とメタエンジニアリング

  • 6.1 経営から見たメタエンジニアリング
  • 6.2 経営に対するメタエンジニアリング
  • 6.3 コードの一行も経営判断であるならば

第 7 章 キャリアとメタエンジニアリング

  • 7.1 メタエンジニアリングへ続く道
  • 7.2 メタエンジニアリングが拓く道
  • 7.3 メタエンジニアリングの道の先に
  • 7.4 無茶振りもキャリア